クマのキーホルダー
昔、学校で落とし物を拾ったことがあったね。かわいいくまのキーホルダー。
見かけないキーホルダーを持っていることを尋ねると、
「もらった。」
あなたはそう言った。
「お礼を言わなきゃいけないね。誰にもらったの?」
「○○ちゃん…。」
「○○ちゃんのお家に行こう。」
「もらってない。拾ったの。」
うそ、ついちゃったね。覚えてる?
あなたは、
「運動場の隅にずっと落ちていたものだから、だれも取りに来ないよ。」
「だから、わたしがもらったってだれも気づかない…。」
泣きながら、いっぱい理由を言っていた。
でも、結局、学校へ持っていって、「落とし物です。」って届けたよね。
ごく小さなことにも正直に…
落とし物として学校にキーホルダーを届けたとき、あなたはとってもすっきりとした顔をしていた。
そこがあなたのいいところ。
いつまでも、言い訳しない。ぐずぐず言わない。
正しいことをすることが、いいことだってわかっているから。
どうせ、だれも取りに来ないんだから、自分のものにしてもいいんだ、って思わないでね。
あなたも最初にうそをついちゃった…ということは、心のどこかで「悪いことしちゃった」と思っていたんでしょ。小さなうそも心の中を黒くしてしまうこともあるよ。
たかがキーホルダー?
けれど、あなたはそのごく小さなことにも正しく行動することができた。
あなたは正しいことをした、という晴れやかな気持ち、悪いことをしなかったという満足感を感じられたはず。
小さなことに正しく行動できる人は、多くのことも正しく行動できる人になれるはず。
自分を誇れる人になれるだろうか?
自分の心はどんな色? 自分の心は自分で作ることができる。
自分の心の中に、うそ、やましさ、自分さえよければ…という気持ちがまざっていませんか?
人間だから、つい…ということもあるかもしれないけれど、あなたが大切にしていることがあなたの心を、毎日を、人生をつくっていくんだよ。
正しい良心を育てよう。それはあなたの人生のコンパスになるはず。
いきなりいい人生にはならないけれど、ごく小さなことに正しいことを選択していくための決心はあなたの人生をよりよいものにしていくはず。
あなたは、あなた自身を誇れる人になれるはず。
正しい良心を持てば、しあわせな気持ちでいられるよ。
あなたの人生がしあわせで溢れますように。
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